■ 女性性 ■
私は、いつもいろんなことを、
偏って受け取ってばかりみたい。
いろんなことを、自分の不足や無価値感にばかりつなげて解釈してしまう。
相手や他人は別に私のことを言ったわけではなくても、
私はいつも自分の「無い」ところとつなげて考えてしまう。
いつも、人と比べてばかり。
上を見たり下を見たり。
ふっくらしていて女性らしい体型の人を見ると、
いつも羨ましいと思う。
私もあんな体型に生まれたかったなぁって。
そしたら、
もっと好きな人にも好かれるし、
人にも認めてもらえるし、
女性らしい魅力をもてるし、
女性らしいお洋服も似合うし、
水着だって着られるし、
自分のこととっても好きになれるだろうなぁって。
でも、残念だけどなれないんだよ。
私は、食べても食べても太れない体質。
胸がないのはもちろん、
あばら骨や骨盤の骨も浮いている。
手足はガリッガリ。
子供のときから今に至るまで、
「やせ過ぎ」
「ごはん食べてる?」
ってずっとずっとずっと、言われてきた。
そのたびに、私は自己否定と自己嫌悪を積み重ねていた。
鏡を見ても、自分の体が気持ち悪くなる。
私の身体、男じゃんって。
気持ち悪いって。
女性として生まれたのに、
女性らしく生まれたかったのに、
女性らしい魅力が欲しかったのに、
それが決定的にない。
顔や身体って、自分の性的自己肯定感を、
著しく左右する。
私は、顔も身体も、とても男っぽい。
全身骨ばっていてガリガリでゴツゴツしていて肉がない。
女の人は、軽々しく
「痩せてていいね」
なんて適当なことを言うけれど、
じゃぁ本気で私になってみてよ、
それで自己否定感自己嫌悪感を、
じゃぁ味わってみてよって思ってしまう。
ひねくれているね。
それくらい、自分が嫌なんだ。
外見も性格も。
なんで女性として生まれてしまったんだって。
なんで生まれてしまったんだって。
男に生まれたかったって。
というか生まれてきたくなかったって。
私の死んだお母さんは精神病だったし、
お母さんのお兄さんも精神病で入院したまま。
お父さんも超卑屈でネガティヴな人。
親のせいにしても仕方ないのは頭では分かっていても、
つい心は親のせいにしたくなる。
もっとまともな正常な両親が生んでくれたら、
まともで正常な人間に生まれたのにって。
病的な人間、自己愛もない人間が、
子供なんか生むんじゃねぇよって、
私を生むなよって思ってしまう。
人のせいにしても、仕方ないけれど。
仕方ないのに、恨んでばかり。
彼に対する気持ちは、
父親に対する気持ちに通じている。