■「俺の言うことが聞けんなら出て行け!」■
そう言った父は、おじいちゃんによく似ていた。
たばこのヤニの匂いが染み付いた家に住んでいたおじいちゃんは、典型的な亭主関白。
支配的ですぐ怒鳴る。
父が嫌いだった。
けれど私も、
父に似ていることに気づいた。
卑屈で言い訳がましいところとか、
よく似てる。
怒りは抑圧してきた。
自分が嫌な思いをしたからこそ、
他人には怒りをぶつけないようにしてきた。
表情に出さないように、
他人にぶつけないように。
その分、自分の内側で怒りが爆発していた。
怒りを外側に表せる人がとても羨ましかった。
私もガタイのいい男だったら、
ムカつくやつをボコボコにしてみたいなーなんてことも思う。
文章なら、感情をぶつけやすいんだけどな。